うずまきシネマ

うずまきシネマ『エンド・オブ・ホワイトハウス』

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『エンド・オブ・ホワイトハウス』を観た。
 映画として、いや〜っ、すごく面白くまたごっつ怖かった。
 軍事的な技術知識がないのでその辺詳しい人に細かいことは聞いてみたい気がする。けっこう準備を整えたらほんとにホワイトハウスってあんな風に陥落ちしゃうのだろうか。まったく嘘っぽくなかったのだけど。

 中で大統領の息子を救出するというミッションが出てくる。これで引っぱられたら嫌だなぁと思っていたら、ちゃんと前半の山場ということで生かしつつも最後までは引っぱらないのが良かった。

 あ、そうそう。原題とカタカナタイトルがえらく違うが(笑) 現代は『“オリンパス”は陥落した』。劇中でホワイトハウスのことをコードネームで「OLYMPUS」と呼んでるからだ。日本では光学機器メーカーの名前そのものだし、映画タイトルのデザインもその会社のロゴと酷似しているので避けたのだろう。けどそれなら邦題をちゃんと考えて欲しいな。英語タイトル風のカタカナ邦題ってなんか「ダマされた感」がある。映画のデキがよかっただけに、もったいない気がする。『ホワイトハウス陥落』とか『ホワイトハウス最後の日』とかでいいんじゃないのかな。

(うずまき式評価=★★★★☆)

【スタッフ】
監督:アントワン・フークア
製作:アントワン・フークア
  ジェラルド・バトラー
  アラン・シーゲル
  ダニー・ラーナー
  エド・カゼル3世
製作総指揮:アビ・ラーナー
  ジョン・トンプソン
  トレバー・ショート
  ボアズ・デビッドソン
脚本:クレイトン・ローゼンバーガー
  ケイトリン・ベネディクト
撮影:コンラッド・W・ホール
美術:デレク・ヒル
衣装:ダグ・ホール
編集:ジョン・ルフーア
音楽:トレバー・モリス

【キャスト】
ジェラルド・バトラー/マイク・バニング
モーガン・フリーマン/アラン・トランブル下院議長
アーロン・エッカート/ベンジャミン・アッシャー大統領
アンジェラ・バセットリン・ジェイコブズ/シークレットサービス長官
メリッサ・レオルース・マクミラン/国防長官
ディラン・マクダー/モットフォーブス
アシュレイ・ジャッド/マーガレット・アッシャー大統領夫人
リック・ユーンカン
ロバート・フォスター/ロバート・クレッグ将軍
ラダ・ミッチェル/リア・バニング
コール・ハウザー
フィンリー・ジェイコブセン

原題:Olympus Has Fallen
製作年:2013年
製作国:アメリカ
上映時間:120分
映倫区分:PG12

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うずまきシネマ
『ターミネーター ジェネシス 新起動』

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Amazonプライム会員になっているので、通販品はけっこうすぐ届くとかまあ便利に使っているのだけど、Amazonビデオのサービスが開始されて、これけっこう楽しめる。[プライム]マークが付いている作品はなんと無料で見ることができるのですね。

 無料だからって旧作ばかりとは限りません。というわけで、Blu-rayが発売されてまだそんなに経ってないのに無料公開されている作品がありました。そんな中の一本。今夜は『ターミネーター ジェネシス 新起動』を観ました。シュワちゃんのターミネーター復帰第1作。

 ストーリーは意外な大どんでん返しとかそんな方向へ行くの?という良い意味でも悪い意味でも裏切り展開はなく、ターミネーターとしての王道の運び。無理はしてない。でも飽きさせないように作ってありました。イ・ビョンホン、出てました。喋りません(笑) だから怖いです。でもすぐ死にます。

 そして今回のサラ。めっちゃ可愛かったのが収穫です。時間を行き来することで過去が変わってそこから続く未来がまた変わっていくというのは、時間が直線で進んでいるのではないのはなかなかややこしいけど、でもなんとなくわかる気がしました。

 時空を超えるとき、次元転送装置でしたっけ?あれに乗るには裸ん坊になりますね。サラとカイルが裸ん坊でビカビカピシャ〜!と。

 若いシュワちゃん、油ギッシュなシュワちゃん、老けたシュワちゃんが登場するのも見所の一つ。DVD買うか借りるかしようと思っていたところだったのでプライムで観れたのはラッキーでした。ただちょっぴり残念なのはせっかくリブートしたといってもいいこのシリーズの続編が、このジェネシスがアメリカ本国でヒットしなかったために暗礁に乗り上げているらしいんです。日本ではヒットしたし、世界的にみたらそこそこいけてると思うのでぜひぜひ続編を期待したいと思います。シュワちゃんのあのぎこちない笑顔をもっと観たいから(笑)

スタッフ
監督:アラン・テイラー
製作:デビッド・エリソン
   ダナ・ゴールドバーグ
製作総指揮:ビル・カラッロ
      レータ・カログリディス
キャスト
アーノルド・シュワルツェネッガー(T-800)
エミリア・クラーク(サラ・コナー)
ジェイ・コートニー(カイル・リース)
ジェイソン・クラーク(ジョン・コナー)
イ・ビョンホン(T-1000)

原題:Terminator Genisys
製作年:2015年
製作国:アメリカ
配給:パラマウント
上映時間:126分

▼メイキング映像はこちら↓

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うずまきシネマ「0&1」中田圭監督作品

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中田圭監督の映画『0&1』を観た。2001年だからもう15年前の作品になる。でも感覚的な古さは感じられない。

 中田監督は東京の夜をずっと撮ってる。これがいつも思うのだけど無理がなく、ほんとに自分の隣にすぐある世界に思える。生々しい空気。そして、全体に流れるけだるさとやるせなさが切ない。

 殺し屋として育てられた若者の男女。出会ってはいけない男女が出会ってしまう。飼い犬同士の接触は掟破りなのだ。そして二人は組織に追われる身となる。

 モチーフとしてはよくあるのだが、それをリアルな東京で、そして直球ではない変化球の言葉少ない台詞で紡いでいく。ざらりとした画面の効果が一層それを盛り上げる。

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 主役「0」役の石川絵里はずっと孤独を感じているので寂しく、そして厳しい表情ばかりなのだが、1シーンだけ笑うところがあって、これがなかなかチャーミングなのだ。

 主役のもう一人「1」を演じる加藤隆之は母は黒澤明監督の娘さん、そして祖父は名優 加東大介なのだそうだ。雰囲気が香港の俳優・監督の周星馳(チャウ・シンチー)に似ている。

 大物ゲストとして、夏八木勲とジョー山中が出演している。お二人とも鬼籍に入ってしまわれたのがとても残念だ。この二人の登場シーンで、作品世界の厚みがぐっと増す。主人公たちとの絡みが少ないのが残念。「0」と夏八木さんの会話とか欲しかったなぁ。
 夏八木さんとジョーさんの登場はアクション映画でおなじみの横浜 神奈川区千若町のバー「POLE STAR」というのがにくい!

 ストーリーは、無理なひねりや、ビックリさせるためだけのどんでん返しはなく、淡々と流れていく。ラストのガンアクションは特に音がリアルでこのあたりは日本映画にありがちな軽さはない。むしろ香港のノワール映画っぽい。監督自身も追う者の一人として登場。ヒッチコックよりも長くハッキリ写ってる(笑)

 本編の他にDVDには特典映像があって、ラストシーンの別テイクが入っていた。こちらは少し救われる内容で僕としてはコチラの方が好みだけど、映画としては本編でのラストが良いと思った。


ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2002正式出品作品
水野晴郎的超特急 新鋭監督映画祭参加作品
秋田シネマフェスティバル参加作品
2001年/日本語/73分/ノマッズ・エンターテイメント提供

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うずまきシネマ「もっとも あぶない刑事」+α

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『もっともあぶない刑事』を観た。この映画、ラストを覚えているので前にも観てるはず。でもストーリーはすっかり忘れていたので、クリアな脳みそで楽しめた。

 ストーリーは柏原寛司の脚本だから一定の水準以上は期待できると思ったけど、期待より上を行ってた。エンタテインメントとしてのフットワークの良さを失わないのがあぶ刑事の信条だから。敵役で“弁慶”刈谷俊介が大暴れしてくれるのもうれしい。ただ台詞がほとんどないけど。
 今回のヒロインは真梨邑ケイ。死ななかったのが良かったけど、それはタカと恋に落ちないからだろう(笑)

 今回もアクションはふんだん。村川監督だからカーチェイスも思いっきり。パトランプ1個の古いパトカーはつぶれると思ったけど、ロングサイズが付いてる新型もつぶしてたから、やっぱ映画はいいなぁと感動。カーアクションはもちろん吹き替えだと思うけど、顏が映るところは恭兵ちゃんがやってるところもあって、カッケー!

 この映画のカオルが大好き。可愛さも最高潮だと思う。そして、少年課 松村課長がバイクでかっこよく登場! いいねぇ。それから、近藤課長の最後の出演でもある本作は近藤課長の見せ場もあります。

 ラストが思わず『オレがハマーだ!』かっ!と言いたくなる(笑) とにかく、映画シリーズの一旦区切りの作品なので思いっきりやってる感じはしました。あぶ刑事は「火9」の系譜のアクションドラマとしておもしろさを大切に、映画はさらにスケールアップしている。これが正しいあぶ刑事だっ!

オマケ。
 映画『さらば あぶない刑事』の広告用(B2)ポスター2種類、某関係筋から入手しました。廃棄直前にお願いしてもらい受けたのでちょっと4つに折られていて折り目が入ってますが(笑) でも我が家の大事な宝物です。さっそく壁に貼り出しています。

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うずまきシネマ「人生スイッチ」

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アルゼンチン映画『人生スイッチ』を観た。ブラックユーモアの6話構成のオムニバス作品。気づいたときには劇場公開終わってたので、DVDを買って早速観てみましたョ。アルゼンチン映画というのは初めてかも。日本版のポスターははっきり言ってあんまり良いとは思いません(失礼)。内容を誤解しそうな感じがします。その誤解も「やりやがったな〜」という快感があればいいのですが、「ちょっと違うのでは?」という違和感が残る感じなんで。でも映画はすっごく興味深い作品でした。

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▲第1話「おかえし」
 これ、公式サイトでこの第1話だけ無料公開してたんですよ。これ観てこの映画が観たくなったのです。
 美人モデルが仕事とバカンスを兼ねて飛行機に乗る。そこで隣り合った紳士と会話しているうちに、奇遇にもある人物と関係があるという共通点に気づく。すると、その会話を聞いていたその近くの人も、そしてさらに…。小説で読んだらおもしろそうな題材を見事に映像化している。6本の中でもこの話が一番ショートショートとして切れがいい。

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▲第2話「おもてなし」
 男が仕事の帰りに立ち寄ったレストランで起こるできごと。サスペンスフルでスリリングでおもしろいが、ちょっと後味が悪いのが玉に瑕。

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▲第3話「パンク」
 これを見たときスピルバーグの『激突!』をすぐに思い出した。運転中に性格が一変する人は実際にいるからこういうトラブルはあるだろう。それを映画としてのスペクタクルを加えて表現してある。お話としては突き進んでいく感じ。

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▲第4話「ヒーローになるために」
 ストーリーとしては僕がいちばんイヤな感じで運んでいきます。ほんとに見てるのが辛くてやりきれない。あぁ、こういう話は嫌なんだよなぁ…と思っていると、ラストで救われます。このラストがあるからこの話は好き。

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▲第5話「愚息」
 最初は何とかならないものかと思っているものの、だんだん人のエゴが鼻についてきて、よし親父良く割り切った!と思って、そして最後にいや〜な終わり方をするという話。お話としてはこれもありと思うけど。

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▲第6話「ハッピー・ウエディング」
 かなり嫌な展開をします。だんだん辛くなります。花嫁に感情移入しかけたときに、えええっ?となって、めちゃくちゃ気分悪くなり、そして最後はちょっと救われる感じ。実際にこんなことがあったら嫌だけど、お話の中ではこれもいいかも。このあとは絶対強く結びつくよな、と思う。そうなって欲しいと思うだけかもしれないけど。

 というわけで、今回めずらしく、ネタバレを気にしてもごもごと書いてみました。この6本の中では第1話「おかえし」が一番好きかな。

▼では予告編をどうぞ↓

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『オデッセイ』を観たョ

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『オデッセイ』観てきた。原作を読んでるが進捗は20%。別に僕は原作を読み切ってから観たいとか、ネタバレになるからいやだとかいうのは全くない。本は面白いのだけど、読むのが遅いの!(笑)
 『さらば あぶない刑事』を観たときの予告編のときからわかっていたけど、ホントに原作をうまく映像化してある。読んで頭に描いていたものがしっかりとそこにある感じの映像だった。

 まぁ、これみんな言ってるけど、タイトルはなぜ『オデッセイ』なのかはわからない(笑) 原作の『The Martian』から日本語の『火星の人』の方がわかりやすいしワクワク度も高いしいいと思うけどなぁ。オデッセイじゃあワゴン車の名前かと思うョ。

 悲惨な演出になるのかなと危惧していたが、原作にあるユーモアや主人公のポジティブな性格をマット・デイモンが上手く演じていて、孤独や危機感は感じつつも、悲壮感が多すぎるような無理矢理さはなく、淡々とした話だから退屈するかとも思ったけどぜんぜんそんなことはなくて、実に面白かった。ただ、嵐のシーンと、アンテナがお腹に突き刺さって、自分で外科手術するシーンは観てる僕も力入りすぎて疲れた(笑)

 一緒に観てたヒヨコは「バ〜ンとなってな、あとビニールシートとガムテープべたべた貼って塞ぐやろ。あれ観てたら、なんかあんたの工作みたいやなと思ったヮ」とのたまった(笑) そんな僕、ガムテープ使ってべたべた貼ってるかぁ? しかし、あれでエア漏れないのだろうかと心配になった。しかも嵐が来たらまた吹っ飛ぶのでは?とか。

 マーズ・パスファインダーが出てきたのはなんともはやうれしかったなぁ。実物はあんなに小さいのだなぁ。もっと大きいものかと思ってた。マスコット的にハブの中を走り回っていたのは可愛かった。

 NASAの救援物資ロケットの打ち上げに失敗してしまったときに、中国が出てきて支援してもらうというのは、一気にシラけた。それ以外は良かっただけに惜しい。ハリウッドは恥も外聞もなくし、プライドをどぶに捨ててしまったのだなぁ。悲しいョ。ロケットの技術だったらロシアか日本だろうに。そんなにチャイナマネーが欲しいのかい? いや、資金としてもうチャイナマネーなしには映画を作る力もないほど疲弊しているのがハリウッドの現状なのだろうな。

 二時間前後にまとめないといけないので、小説よりは話ははしょってあるとはいうものの、退屈な話を上手く映画にしてたと思う。CGの使い方もほとんど意識せずに観れるのでとても良かった。あと、アメリカ映画にありがちな、必ずと言っていいほど入ってくる恋愛シーンがないのもイイ(笑) こういう映画があってもいい。お金を払って観ても損をしない良い映画だ。
〈うずまき的評価:★★★★☆〉

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うずまきシネマ『さらば あぶない刑事』

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『さらば あぶない刑事』を初日に観てきた。

 結論から言うと、あぶ刑事ぶりが終始一貫していて、大満足の出来だった! あぶ刑事の世界は、芯の部分が誠実であれば、それほどリアルを追求しようとはしてない。カッコいい、迫力ある、楽しい、ゴキゲンなドラマであればいいわけ。それを描くためのウソが気にならない、気が付かないテンポの良さで、物語に最低限必要な深みがあれば、理屈なんかで全て網羅されてなくてもそれは構わないのである。凶悪な敵と闘いつつも、どこかにウイットがあり、辛気臭いイライラはない。それが、あぶ刑事。そういう意味で今回の映画は大満足であった。

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▲グッズはもう売り切れ続出と。この僕が買ったパスケースなんか5倍以上のプレミアが付いてる。

 タカとユージの年齢の重ね方もしょぼくれてなくてカッコよかったし、トオルの初々しさを残しつつもカッコいい成長。カオルが画面上であまり劣化してないのもうれしかった。

 敵の吉川晃司は十歳以上の年齢差を感じさせないぐらいの貫禄と、骨折してるのにほとんどのバイクを含むアクションをやってみせるのはめっちゃカッコよかった。

 敵のナンバーツー役の夕輝壽太、今までの弱っちい役とは打って変わってめちゃ怖い。鋭い動きのアクションも見せる。

 タカの彼女役の奈々緒、見栄えはするし芝居も自然。絡み方もしつこくなくて適量。

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▲劇場ではシリーズ歴代のポスターが展示されていた。

 ユージの生走りは健在で、クルマの方もレパード港303が活躍。タカのバイク手離しショットガン撃ちがまたカッコいい!

 腑抜けたお座敷刑事モノしかやらなくなったテレビに本物の「刑事(でか)魂」を見せつけるような立派な刑事アクション映画。大好きな横浜の風景をふんだんに見せてくれた。どうとでもなるから(笑)、これで終わりと言わずに、帰ってきてネ!

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▲我が家は当面あぶ刑事ブームが続く。


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【うずまきシネマ】「スティーブ・ジョブズ」(2013年アメリカ)

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映画『スティーブ・ジョブズ』2013年公開のをAmazonプライムで観ました。実に面白かった。この映画どうも世間様では評判は真っ二つだったそうですね。確かに、Appleのことを知らない人が観ると退屈かも知れません。
 みんながAppleを意識するのはなんと言っても、カラフルなiMacの登場、iTunesやiPodでの音楽ライフの革新、そしてiPhone。この映画には、ボンダイブルーのiMacがスケッチ段階で登場するだけだし、iPodは一番最初のが発表されるシーン、そこまでです。

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 ウォルター・アイザックソンの『スティーブ・ジョブズ』(講談社刊)上・下巻を読んだ人には非常にうまく映像化しているので感動的だったでしょう。僕自身はAppleの本に関しては昔からあまり読まなかったのですが、僕もこの本だけは読んでいたので、ほんとうによくわかりました。キャスティングも良く、メイク、そして演技も良かった。

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 でも、たとえば最初の彼女との破局と、なかなか認めなかった娘のリサのことが、結婚した後に引き取って一緒に暮らしているくだりなどは、さらっとしか描かれないので見過ごしてしまう人もいるかも知れません。全体がテンポ良くというか良すぎる感じで、映画というよりもむしろミュージックビデオに近い感覚で作られている感じがしました。ダラダラがない。どんどんわからない人は放置する感じ。興味がある人や知ってる人なら、だから飽きる暇がないのです。キーワードがちりばめられていますからネ。

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 とはいうものの、この先を見たい。ジョブズはAppleに復帰して“タイタニック”を引き上げて空にまで飛ばしてしまうのですから。Macintoshだけじゃない。iPhone、iPad、そしてピクサー。ジョブズは現実歪曲フィールドを駆使して、人を面白がらせたり、罵倒したり、興奮させたり、やる気にさせたりしながら、次々と夢を見させてくれました。そして、iPhone 4s発表の次の日に亡くなった。そこまで、描くのは長くなりすぎるなら、前後編でもよかったような気がします。

 画面作りも、配役も良かっただけに、ここまでで終わりにするのは惜しいと。2015年に別のジョブズの映画が公開されるようですが、そっちもいつか観てみたいと思います。エンタテインメントとしてもアメリカンドリーム爆発映画で終わってくれる方がスカッとしますしね。

 Amazonプライムって、いいですね。うちはADSLのいちばん遅いヤツなんですが快適に観れました。レンタルするのもなんだか最近面倒だし。いつでも観られるならメディアで所有する必要もないから、配信っていいかもしれません。同じ作品を何度も観るというのはそんなにないわけで、そういう作品は決まってるのでディスクを買って持っていてもいいけど。置く場所もなくなってきて、家族に責められますしネ(笑) でもどうしても買ってしまうのですけどネ。
 

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【うずまきシネマ】「ミッドナイト・イン・パリ」

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前知識なしに『ミッドナイト・イン・パリ』(2011年・アメリカ)を観ました。ウディ・アレン監督作品というのも最初は知らなかった。
 このキービジュアルというか、ポスター、チラシ、DVDのパッケージに使われているの、作品世界を正確に表しているかというと、ちょっと違う気もするのだけどナ。ま、いいか。

 ロマンチック・コメディということで、ウディ・アレンというと名作『カイロの紫のバラ』が思い出されるけど、あの映画はほんとに切なくて素敵な映画だった。さて、この『ミッドナイト・イン・パリ』は…。

 主人公のハリウッドの売れっ子シナリオライターで、小説を書きたくてパリに恋人の両親の旅にくっついてやってきた男。引っ込み思案で、臆病で、冒険をしない。でも野心の炎は持ってる。けどくすぶってるだけ。これ、感情移入しやすいですね(笑)

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 恋人となんだか全然歯車が合ってない。なんで一緒にいるのかと観ている方も思ってしまう。恋人はとても美人で明るくて奔放で魅力的なんだけどね。モネの庭でのキスシーンとかいいな。

 『カイロの紫のバラ』は映画のフィルムの中のキャラクターが現実世界に出て来てしまうというファンタジーだったけど、『ミッドナイト・イン・パリ』は夜中の12時を超えた夜のパリが1920年代にタイムスリップしてしまうのだ。これがそのパリに芸術家のサロンがあったころのパリで、もうヘミングウェイやピカソや信じられない有名人に出会ってしまうという奇蹟を体験してしまう。

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 主人公があこがれるその1920年代のパリで、最初はピカソの愛人として登場する女性に、彼は恋をする。彼女とは心を通わせる。彼は1920年代のパリで暮らしてもいいと思い始める。でも、ある一点のズレが生じる。この辺りの持って行きようが絶妙です、監督!
 やがて、現代に戻り、恋人とも別れてしまう。そして…。

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 アンティークショップの女店員、派手さはないけれど、地味に可愛い。それよりも何よりも、主人公と価値観も気持ちも合う。これがやっぱりいいのです。

 この映画、出ている俳優さんは誰一人として知らない人ばかりだったけど、それも良かった。歴史的な有名人が出てくるけど、単なるそのモノマネ仮装大会映画にはなってないところが良かったです。その人物たちに無理なセリフを言わせたり、あり得ないシーンを作ったりもしてないし。

 ウディ・アレンの映画、昔好きだったのだけど、ちょっと最近ご無沙汰だったので、これを機会にいろいろ観てみようかな、と。

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【うずまきシネマ】「北のカナリアたち」

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2012年、東映創立60周年記念作品『北のカナリアたち』を観ました。これ、ちょうど『宇宙刑事ギャバン The Movie』を観に行った時に予告編をやってて、すごく気になった映画でした。普段あまり邦画は気にしてないし、吉永小百合っていっても、僕ら世代ではもう夢千代ぐらいのイメージしかないんでそんなに崇め奉るような感覚ではないのですが、この映画はなぜか気になりました。

 タイトルからして、これは派手なアクションがあるような娯楽作品ではないだろうと思えるし、やくざ映画でもない。しかも感動ものでお涙頂戴式とも思えない。けど、謎がありサスペンスが少し含まれ、そして心の傷が一つや二つではなさそうな感じで。柴田恭兵が出てるし、仲村トオルも。『あぶない刑事』コンビというか『勝手にしやがれヘイ!ブラザー』コンビですね。そしてこの2人の関係がややこしそう。

 この映画、とても丁寧に撮られています。さすが東映60周年。ただ商売を考えたらこんな映画は撮れなかったでしょう。
 吉永小百合の夫役に柴田恭兵というのはキャスティングとしてちょっと無理があるかな?と思ったけど、映画の中では全く違和感はありませんでした。出番も、あれ?もう終わり???と思ったけど、後からあとからあったし(笑)

 あの小学校の分校は、バックに利尻富士の見えるあの海縁のロケーションにこだわって、オープンセットを作ったそうです。ぜったい既存のものを使ったと思った。それぐらい自然だったなぁ。建物は今も保存され公開されているとのこと。いつか見に行きたいなぁ。簡単には行けないだろうけど。

 満島ひかりが出ててうれしかった。松田龍平とかこの辺、朝ドラ関連の顔ぶれとも思えるけど。宮崎あおいとか地味に切ない役で良かったなぁ。鶴瓶の息子も出てた。彼も朝ドラ出たよなぁ。
 そして、お楽しみキャラとして事件を起こして警察に追われるノブのおじいちゃんとして悪役・着られ役の“先生”福本清三が出てるのがうれしい。福本さん、やっぱり東映に出るのがしっくり来ます。あとね定年間近の刑事役・石橋蓮司もいい味出してます。

 やはり本物の寒さをロケで撮ってるのが贅沢な感じがした。だからそんなに無理な演技をしなくても芝居が成立するのですね。感動の押しつけがない演出も良かった。こういうのが良い映画だ、というか、こういう映画を撮れるということがいいですね。でも興行的にもけっこう良い成績だったようだし、賞も取ってるんですね。

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