【うずまきシネマ】「ミッドナイト・イン・パリ」
▲前知識なしに『ミッドナイト・イン・パリ』(2011年・アメリカ)を観ました。ウディ・アレン監督作品というのも最初は知らなかった。
このキービジュアルというか、ポスター、チラシ、DVDのパッケージに使われているの、作品世界を正確に表しているかというと、ちょっと違う気もするのだけどナ。ま、いいか。
ロマンチック・コメディということで、ウディ・アレンというと名作『カイロの紫のバラ』が思い出されるけど、あの映画はほんとに切なくて素敵な映画だった。さて、この『ミッドナイト・イン・パリ』は…。
主人公のハリウッドの売れっ子シナリオライターで、小説を書きたくてパリに恋人の両親の旅にくっついてやってきた男。引っ込み思案で、臆病で、冒険をしない。でも野心の炎は持ってる。けどくすぶってるだけ。これ、感情移入しやすいですね(笑)
恋人となんだか全然歯車が合ってない。なんで一緒にいるのかと観ている方も思ってしまう。恋人はとても美人で明るくて奔放で魅力的なんだけどね。モネの庭でのキスシーンとかいいな。
『カイロの紫のバラ』は映画のフィルムの中のキャラクターが現実世界に出て来てしまうというファンタジーだったけど、『ミッドナイト・イン・パリ』は夜中の12時を超えた夜のパリが1920年代にタイムスリップしてしまうのだ。これがそのパリに芸術家のサロンがあったころのパリで、もうヘミングウェイやピカソや信じられない有名人に出会ってしまうという奇蹟を体験してしまう。
主人公があこがれるその1920年代のパリで、最初はピカソの愛人として登場する女性に、彼は恋をする。彼女とは心を通わせる。彼は1920年代のパリで暮らしてもいいと思い始める。でも、ある一点のズレが生じる。この辺りの持って行きようが絶妙です、監督!
やがて、現代に戻り、恋人とも別れてしまう。そして…。
アンティークショップの女店員、派手さはないけれど、地味に可愛い。それよりも何よりも、主人公と価値観も気持ちも合う。これがやっぱりいいのです。
この映画、出ている俳優さんは誰一人として知らない人ばかりだったけど、それも良かった。歴史的な有名人が出てくるけど、単なるそのモノマネ仮装大会映画にはなってないところが良かったです。その人物たちに無理なセリフを言わせたり、あり得ないシーンを作ったりもしてないし。
ウディ・アレンの映画、昔好きだったのだけど、ちょっと最近ご無沙汰だったので、これを機会にいろいろ観てみようかな、と。
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