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HAZZマガジン13号発行記念
編集長ロングインタビュー(前編)

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さてさて、ワタクシ、うずらまんは17年前までミニコミ雑誌を作ってたんです。そしてそのミニコミを17年ぶりに復刊することにしました。いったん休刊した雑誌が復刊するなんてことはほんとうに珍しい。いやほんと。だいたい休刊っていうのは廃刊なんですよ。ミニコミにしても市販の雑誌にしても。いろいろな事情に追いつめられた結果です。

 さ、ネットの世界も面白いけど、やっぱり消えものなんで、紙媒体というのにもこだわってみたい。そりゃ昔のように情熱もエネルギーもないけど、そこはいろいろな知恵と勇気でカバーして。ミニコミというよりももっと小規模な「ジン」というスタイルに近いかもしれませんが、とにかく初版20冊完成。ここからバトンタッチ。

★はい、代わりました。バーチャル・スタッフのピコレットです。
 『HAZZマガジン』13号発行について、うずらまん編集長に逆インタビューという形で語ってもらいます。誌面に書ききれなかった裏事情もわかるよん。では、どうぞ。

―――17年ぶりに『HAZZマガ』を復刊したわけですが、今の気分はどうですか?

うずらまん編集長「スッキリしました(笑) っていうかね、17年間『出すで、HAZZマガ作るで』と言い続けてきて作れなかったわけで、狼少年と一緒。もう誰も見向きもしてくれへんかった(笑)んやから、『な、うそちゃうやろ?』というのと肩の荷が下りたという感じの混合タイプですね」

―――なぜ、17年も作れなかったのか、またなぜ今になって作ろうとおもったのかという点は?

うず編「誌面の都合であんまり詳しくは書けなかったんですが、それでもその一端は13号に書いてます(笑) こんなちっぽけなミニコミなんですが、雑誌作るってものすごいエネルギーが要るんですよ、ほんま。「ミニコミ3号」って言葉があるんですが、3号までは続くけど、その後消えて行くのがほとんど。何が続かないってね、ズバリお金です(笑) 気力やネタよりも先にお金が尽きます。お金が足枷になって他が蝕まれていき自然消滅。ミニコミってみんなそんな運命をたどってますね。

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―――HAZZマガもそうだったんですか?

うず編「そうです(笑) HAZZマガは、7号ぐらいで一度印刷屋さんに未払いが起きて迷惑をかけたのでその反省でメンバーでお金をまず出し合い資本金として、持ち出す冊数に応じてその分のお金を置いて行くということにしました。けど1995年に出した12号なんてゲストライターも多かったので170ページもあったんで初めて背表紙が付けられて喜んでたんですが、これの印刷費ってスゴいです。売れる分、売れ残る分含めて、最初に印刷費だけは印刷屋さんに支払わないといけませんから。これで資本金なんかすっ飛んでしまいました(笑) 11号ぐらいまでは広告取りをして広告収入で何割かをまかなうということもやってみたんですが、これがえらく面倒で神経も使うしそんなことしてたら雑誌作りの気力が萎えてしまうので、12号では広告は一切載せませんでした。交換広告以外は。つまりお金のやり取りなしの分だけ。で、このお金という重荷がHAZZマガを押しつぶしてしまったんです。

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―――で、今回復刊できたのはどうしてなんですか? しかもカラーページまでありますが。

うず編「今回は、原点に立ち返ろうと。HAZZマガは最初からオフセット印刷で創刊しましたが、僕がそれ以前に関わっていたミニコミは、コピーで作ってたんですね。オフセット印刷で作るミニコミはたくさん刷れば1冊の単価は下げられます。ただし、たくさん刷らないとそのメリットは出で来ない。たくさん刷るとたくさん売らないといけないし、印刷代として最初に大きなお金が必要になる。この方法では最初お金を集めてもまた尻窄みになってしまうのは目に見えてる。じゃあ、コピーか。コピーはなるほど1冊からでも作れる。たくさん刷ってもコストを下げるということはできないけど、何百円かあったら1冊できます。今日は5冊売ろうとか思ったら5冊分だけのお金があったらいい。けどコピーは印刷に比べてやっぱり1回複写するので品質が落ちます。ズレるし。

―――じゃあ,にっちもさっちもいかないですね(笑) 追いつめられた編集長はどうしたんですか?

うず編「こういうときに僕は変に頭が回るんです(笑) エクソシストも顔負けですよ。しかも時代が味方してくれるんですよ。HAZZマガは創刊当時1〜3号まではフル手書きで作ってました。僕が参加した4号からはそのころやっと普及しだしたワープロを導入。ワープロとコピーの代用写植で誌面を作ってました。そして12号でDTPに。Macintoshで誌面を作るようになりました。でも最終は紙の版下を作っていました。そして13号。フルデジタルです。紙の版下は一切ありません。AdobeのIllustratorというソフトで誌面をデザインします。でね、話はコンビニに飛びます(笑) コンビニって必ずコピー機があるじゃないですか。

―――あ、ありますね。学生がノートをコピーしたり、奥さんがなんかサークルの新聞とかコピーしたりしてますね。

うず編「それが最近は高機能になってて、いろんなものをプリントアウトできる機械になってるんです、そのコピー機が。セブンイレブンのはUSBメモリーやSDカード、CDなんかを読み込めるようになってる。つまりそこでデータからのプリントアウトができるんです。ということは作った誌面のデータをそこからプリントアウトできれば、コピーじゃなくて、ダイレクトで印刷。オンデマンドプリンターとしてコンビニのコピー機が使えるやん!と。調べてみるとカラーもいけるし、もちろんモノクロも。モノクロなんかA3でも10円なんです。ということは今まで通りHAZZマガをA5サイズの冊子にするらなA3の両面20円で8ページが作れるということになるでしょ。1ページ2.5円。これオフセットなんかせんでも安く作れる!

―――だんだん、見えてきましたね!

うす編「値段から逆算すると、1冊300円の印刷費用で、モノクロやったら120ページの冊子を作れるんですね。けど、ここで考えました。せっかくの17年ぶりの復刊やのに、表紙がモノクロ? そらあかんヮ、そんな景気の悪いのは。じゃあカラーはというと、B5、A4、B4は1枚50円。両面で100円。けど、A3は片面80円。両面で160円。高いやん。いや待てよ。HAZZマガはA5判の冊子。A4で100円掛けて表紙だけカラーにするよりも、160円掛けたら、表紙含めて8ページもカラーにできる。ほんならこれは巻頭、巻末グラビアにできるぞと。それに120ページ分のコンテンツを作るのは結構大変やし、そんなページ数になったら製本はどうする?

―――そうか、オフセット印刷だったら印刷屋さんに無線綴じを頼めばいいけど、コンビニでのオンデマンドだったら自分でやらないといけないですよね。

うず編「そうなんです。そうすると、一番簡単なのはホッチキス留め。しかも冊子として手間がかからずそこそこ見栄えがするのは中とじです。中とじも市販のタテヨコホッチキスを使うならそんなに枚数は綴じられませんしね。ということで、13号は表紙込みで24ページ、内カラーが表紙込みで8ページ、モノクロ16ページという構成になったんです。これで印刷費が1冊200円。細かいことを言うとホッチキスの針や製本の手間賃なんかもほんとはのせたいところですが(笑) でもまぁ、印刷費用だけ出ればいいと割り切りました。とにかくね、手に取りやすい価格ってやっぱり雑誌なんで500円までだと思うんですよ。それ以上になったらモノとしてもっとちゃんとしないと。気軽さもなくなってくるし。

―――手に取ったとき、薄いと思うんですけど、中身を見るとけっこう…

うず編「濃いでしょ? 中身ではけっして12号に負けてないと思ってます(笑) 12号が中身薄いって言うてるわけやないんですけどね(笑) それぐらい気合い入れて13号作りました、ということなんです」

―――では、編集長ロングインタビュー、次回の後編では、中身について聞きたいと思います。

★HAZZマガ編集部のブログがあります。そこには編集業務の様子がちょこちょこアップされています。興味のある方は覗いてみてください。
 → 「HAZZマガ とじこみBlog」
 いち早く13号を購読したいっ!という方はこの 「HAZZマガ とじこみBlog」の中に通販についての説明がちょこっと載ってるので見てね!

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