ずっと探していた本と
探して見つかった古本屋
▲東京駅地下街の古本屋さん[八重洲古書館]に行くというのが、ワタクシの東京出張の楽しみのひとつ(助詞の「の」が連続)。で、今回も東京駅で新幹線を降りて、地下にもぐったのですが…。なんだか、地下の様子が変なんです。なんとなく、あちこち変わっている。工事をしているところもある。お上りさんではなく明らかに地元の東京の人が、なんだか不安げに店舗案内図を見ていたりする。八重洲地下街に何か異変が起きているのでしょうか。
で、いつものように地下にもぐって、右上の方向を目指してトコトコと歩いていきました。しかし、そこに[八重洲古書館]が無い。無いナイナイナイナイナイナイナイナイナイないのです。えー! しばらく来てないから、きっとカンが狂って見つからないだけだ。よく探せばすぐ見つかる。記憶をたどって行くのですが、やっぱりないのです。
随分探して、やっぱりないので、途方に暮れていると、宝くじ売場の横に地下街の案内図があったのでそれで見てみました。すると、[八重洲古書館]の文字があるではないですか。しかし、どう見ても前と場所が違う。でも僕が記憶違いをしているだけかも。そう思い直してその場所まで行ってみました。いや〜、やっぱり全然違ってた。綺麗な店になっていました。あとで知ったのですが、去年の夏に移転してたんですね、やはり。
面積も前の半分ぐらいか。前の奥深さは無くなったけど、オープンな感じはいいかも。でも面積が狭くなったのだから、掘り出し物を見つけることはあんまりないかもなぁ。でも気を取り直して店の中を一通り見て回りました。う〜ん、やっぱり買うべき本がないなぁ。あ、戦争関係の本か。あ、岡村昭彦の本だ。パラパラ…この本は写真が一枚もないし、うわっ、値段もけっこうするし大きい本だから荷物になるから、止めとこう。本当にこの人の本で読みたいのは、ほんとは…!!! あった! 何年も前から探している岡村昭彦の本が!
▲そうなんです。なぜかベトナム戦争に興味を持ってしまって以来、ずっと読んでみたかった本。それがこの岡村昭彦著『南ヴェトナム戦争従軍記』(岩波新書/1965年発行)でした。もう40年以上前の本だし、当然絶版です。あちこち探してはみたけど、入手は絶望的とあきらめていました。でも今日ここで見つけることができたのです。ぎゃ〜! なんというシアワセ。しかし、値段は相当高いのだろうなぁ。う、うそっ! 100円! ほんまかいな。何年も探してた本が、ひゃっひゃっ、百円! 見間違いちゃうやろな? 何度見ても、100円でした。即座にレジへ。いや〜、日曜日に仕事ってぇ、それも残業続きやのに、東京出張? …とか思とったけど、今回の東京出張は値打ちあったわ〜。ほんま。もう、この100円の本を握りしめて、ウキウキになりました。東品川公園を探す散歩をしてからですけど、青物横丁駅前のマクドでシェイク飲みながら、デザイナーのTさんと待ち合わせの間、この本を読みました。また、これが期待以上におもしろいんです。この人、文章うまいわ。戦争ルポものなのですが、戦中派の世代が持っている問題意識や義務感などがさりげなく語られたりしてますが、堅苦しくなく、さりとてふざけてもいず。とても自然な感じで良いです。買ってよかったわ〜。ちびちびと大事に読もうっと。
IXY D50 5.8-17.4mm 1:2.8-4.9(35mm EQIV.35-105mm)
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