さらばナショナル特集 第1弾!!
黄金カイロ
▲「さらばナショナル」特集の第1弾。「ナショナル黄金カイロ」の巻 です。
松下電器はこの秋から「ナショナル」ブランドや「松下」の名前を「パナソニック」一本に絞るという衝撃的な発表が先月行われました。それはそれで時代の流れなのでしょう。でも「ナショナル」に慣れ親しんだわたしたち昭和の子どもたちは、ナショナルの製品が、CMが大好きだったのです。
確か、この「黄金カイロ」は、黄金バットのような骸骨のキャラクターがCMをしていたのを覚えています。このカイロのネーミングは、おそらくハクキンカイロが「白金(プラチナ)」だったのに対抗したのでしょう。でも触媒としては「金(Au)」は使っていないと思いますが…。
1953年〜1994年(93年4月に販売終了)まで販売されていたようです。
なんと、そんな時に、グッドタイミングと申しましょうか、ナショナル黄金カイロの新品同様(当社評価A++)が、ヨメの実家から発掘されました。元箱(多少の折れ・擦り傷等あります。神経質な方はご遠慮ください。←って何が?)付きで、取扱説明書、ベンジンカップ、火口、点火器、布袋も完全に残っています。
火口は多少使用感がありますが、まだほとんど痛んでいません。いつごろの商品かはわかりませんが、点火器の中に残っていた乾電池ナショナル・ネオ・ハイトップの製造年月日は1981年の12月でしたので、30年近く使われていなかったものと思われます。
火口を外してみます。触媒の部分は、実は一部パッドに穴が開いています。なんとここに昆虫が入り込んで虫食いになっているのです。羽の付いた虫のミイラが発見されましたが、除去。被害はそんなに酷くはありませんでした。
ベンジンの注入口は円盤の中央部内側の奥でちょっと小さく、入れにくそうですね。
スリットの周辺の赤いものは、オレンジの袋の繊維です。多少使用していたと見え、袋の繊維がこすれてそこにたまっているのです。
ベンジンカップの比較です。左から、ハクキンカイロ用、黄金カイロ用、Zippoハンディウォーマー用。それぞれに特長があります。黄金カイロはカイロ本体の注入口が特殊なのでカップも特殊な形になっています。
上が点火器、下が単三電池です。点火器のおしりに紐が付いていて、その先に点火チェッカーがあります。黄金カイロとハクキンカイロの違いは、この点火器。電池で安全に点火できるというのが、黄金カイロの売りでした。(後にハクキンカイロからも電気点火式が出ますが)
見るからに暖かそうな、オレンジの袋が付いていました。ベンジンを給油活動して、新しい電池を点火器に入れて点火してみました。すると、約三十年の時を超えて、見事に点火。
左にZippoハンディウォーマー、右に黄金カイロと両方ポケットに入れて暖かさを比較してみました。黄金カイロの方がやや温度が高いような気がします。ちょっとした条件の違いでけっこう温度が変わるのはZippoので経験済みなので、あまり確かではありませんが。
取扱説明書を見ると、取り替え部品の値段が出ています。
●火 口 正価160円
●カップ 正価25円
●点火器 正価70円
● 袋 正価70円
そして、ベンジンですが、「ナショナル黄金カイロ用ベンジン ゴールド500」というのが販売されていたようです。引用してみます。
「カイロの性能はベンジンの良否によって大きく左右されます。ベンジンは火つきがよく、火口を傷めず、火もちのよいナショナル黄金カイロ用ベンジンまたはハクキンカイロ用特製ベンジンを必ずご使用下さい。」
なんとライバル製品のサプライ品を取扱説明書に書いているのです。なんか大らかでいいなぁ。まだ熾烈な販売合戦が繰り広げられる前の時期だったのかもしれませんが…。
あと、製造元の表記としてでしょうか、会社名が、松下電器と一緒に、
「松下電器産業株式会社・電池事業本部
ナショナル黄金カイロ株式会社」
となっています。当時は黄金カイロ用の子会社があったようです。
我が家にはハクキンカイロがあって、この新しくてイカした金ぴかのカイロはあこがれで欲しくて欲しくてしょうがなかったのですが、買ってもらえず。自分が好き勝手に買えるようなおとなになったころには製品自体が販売完了していたのでした。
それが偶然にも、発掘されたのです。なんという幸運。
今回テストしてみましたが、カップ一杯で14時間ぐらい持ちました。ハクキンカイロにしろ、Zippoハンディウォーマーにしろ、台湾製のコピーものであるi-HOTにしろ、ベンジンカイロは今再び見直されてもいい道具ですよね。
さてさて、さらばナショナル特集、この後も続けられるでしょうか…(^ε^;)。
【追加情報】
blog「ラフィー:心の癒し」
このページに、珍しい、日立のカイロの写真と情報があります。黄金カイロそっくりですが、シルバーです。
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Comments
>うずらまんさん
これ、父親が使っていました。私が面白がって良くベンジンを入れて、点火プラグで熾火を作りっていました。点火プラグは中にバネが入っていて、押し当てると通電します。火口部分の、そう写真では赤丸に見える所に押し当てたと思います。
そうすると、ボヤーとオレンジ色の火が、熾火が見えてベンジンの燃焼する匂いと暖か味が僅かにしてきます。
もう40年以上前の話ですね。
Posted by: warakado | February 04, 2008 11:58 PM
▼warakadoさん
そうです。赤丸のところに押し当てます。「熾火」とは粋な言葉をご存じですね(^ε^)。
Posted by: うずらまん | February 05, 2008 01:07 PM
うずらまんさん、こんにちは。
うちは白金カイロ派でした。
これは見たことが無かったです。
ネオ・ハイトップは高かったですね。
三菱(フジツーだったかな?)かサンヨーのほうが安く売っていましたよね。
昭和が、だんだん遠くなって行きます。
Posted by: YANBO | February 05, 2008 09:24 PM
▼YANBOさん
わが家もハクキンカイロ派でした。
お腹をこわしたときなど、母の手製のベルト付きでお腹に巻いて学校に行ったことなどを思い出します。
黄金カイロは欲しかったのですが買ってもらえませんでした。
Posted by: うずらまん | February 06, 2008 11:59 AM